ダイナミックスポーツ医学研究所

Dynamic Sports Medicin Institute

Since 1973

| HOME | 診察のご案内 | 20年の実績 |

画像をクリックすると拡大します。

図1-2.png 1973年より事業所における腰部障害に対して、脊柱機能の改善に重点をおいた対策を実施してきました。今回は、清涼飲料水メーカー(A社)の20年間のデータをまとめたので報告します。

図2-2.png

対象は中重量物運搬従事者で、すべて男性であった。 平均年齢は29歳から徐々に加齢し、20年後には43.5歳と 14.5歳も高齢化していたのです。これは大変重要なことで、年齢は加わっても職場体操の実施で腰痛が予防できる可能性を示したものである。

図3-2.png

腰痛対策の内容は、治療と予防の両面を考慮し、とくに脊柱機能の改善に重点をおきました。腰痛が発生した場合の治療面には、図の左側に示した脊柱機能回復のための運動療法をおこない、その後、治療の結果、日常生活が可能となれば、右側に示した予防面へ移行し脊柱機能の向上をねらった運動療法が実施されます。また、定期的に腰部チェックをおこない、自覚症状などをアンケート調査でチェックし、作業姿勢の徹底的な指導をおこないます。

図4-2.png

脊柱機能検査は対象者全員に腹筋力と腹背筋持久力について7種目のテストを実施し、それらの合計点が40点満点として評価した。

図6-2.png

アンケート調査の結果、「仕事に支障がある」と腰痛を訴えた者(腰部有愁訴者)は1981年には44.6%であったが、86年以降は5%前後を推移し。99年には0.6%となった。脊柱機能検査結果は、満点取得率が1982年は35.4%であったが、以後毎年向上し、86年以降は80%前後を推移しており、01年の現在まで80%以上を持続している。腰部有愁訴率と脊柱機能検査満点取得率の推移を対比すると、負の相関がみられた。その間、平均年齢は14.5歳加齢しているにも関わらず筋力は維持されていた。

図7-2.png

腰痛による労災件数の推移は、1982年には休業15件、不休6件、合計21件であったが、年々減少して87年以降は合計5件以下を推移し95年以降は0件となった。労災件数と脊柱機能検査満点取得率の推移にも負の相関がみられた。

図8-2.png

作業内容変化の調査結果は、作業負荷の軽減として1986年より積み込み作業にローリフト等が導入され、現在では全営業所に普及してる。また、1983年缶製品の比率が19.8%だったが、その後ビン製品から缶製品などへの切り替えが急速に進み86年に53.9%、91年70%、99年では97.5%とほぼ切り替わっている。1996年以降急激な増加がみられたのはペットボトル製品が加わったためである。回収作業量もビン製品に比べて少なくなるため作業負荷量の軽減となっている。

図5-2.png

腰部有愁訴率を各社で比較してみると、積み込み作業、機械化導入、缶製品への切り替えは各社ほぼ同時期に行われていた。1984年と1995年の腰部有愁訴率を比較した結果、各社とも低減していたがA社が最も低かった。作業負荷量の軽減が腰部有愁訴率の低下に影響してると考えられるが、より一層の効果がみられたのは、職場体操をはじめとするトータルな対策を実施してきたA社であった。

図9-2.png

腰痛対策による休業日数の減少効果を示している。 腰痛による休業日数は1982年480日だったが、その後着実に減少し95年以降は0日となった。これを腰痛対策を全く実施しなかった場合を想定し経済効果を試算した。1982年の休業日数が継続したとすると、実際に休業した日数との差は7,676日。人件費について、1日単価を20,000円とすると153,520,000円の節減が考えられた。つぎに医療費は、診療の日数を休業日数の30%の受診率と推移して2,30.8日、単価を5,000円とすると11,514,000円の節減が考えられた。また、腰痛対策を実施するに当たっての対策費用を年間3,000,000円として20年間で60,000,000円の支出となる。これらを差し引きして20年間の腰痛対策経済効果は105,034,000円となった。また、これ以外にも休業者のカバーに必要な従業員の費用や顧客へのサービス低下に伴う損失金などの経済効果も考えられる。

図10-2.gif

脊柱機能の改善に重点をおいた腰痛対策を実施することで、休業日数・医療費が減少し経済効果が期待できると考えられた。 以上より完全就業を支えるためには予防対策を継続することが重要でありその中でもとくに就業に適用するための脊柱機能を保持することが肝要であると考えられる。

講習・セミナーは
お気軽にご相談くださいませ。 →  講習会・セミナーの案内



腰痛対策ページに戻る